引きずり鏡
「う……うそ、どうして? 手に……生者の手に、触れられるなんて……」
引きずり鏡
「も、もも、もしかして、僕のこと、見えてるんですか?」
逸色 珠沙
「…………」
恐怖で喉が引きつって返す言葉が出てこない。
引きずり鏡
「……見えてない、かな? まあ、どっちでもいいや……」
引きずり鏡
「はあ……この温もり……。あたたかくて、気持ちがいい」