(ダメ、振り返ったら……!
だって咲耶果の言う通りここでもし振り返ったりしたら――)
やがて、長く感じた時間の果てに。
???
「……………………」
微かな吐息が頬を撫でると同時に、まるで嘘みたいに背後の気配が消えていく。
そして、恐る恐る振り返ると――。