鷹(ファルジ)の一族、狼(ヴォルグ)の一族と称されるふたつの勢力が均衡する街。
少女は感情が高ぶると赤くなる右眼を持って生まれてきた。

赤い眼はこの街では『魔女の証』であり禁忌の存在だった。
少女は迫害を恐れ、街外れの森にある朽ちかけた塔で男子として生活をしていた。
一緒に暮らすのは自らを塔の主と名乗る隻眼の男。

性別を隠しつつも、仲間に囲まれ楽しく穏やかな日々を送っていた少女。

ある日、街の教会から『カレイドヴィア』という不思議な宝物が盗まれる事件が起こる。
そのことをきっかけに少女はこの街に隠された『魔石』と自身の出生の秘密を知っていく。

対立する一族の数奇な運命に翻弄される少女。
少女の選択は優しい絶望か、傷だらけの希望か――