L.G.S 〜新説 封神演義〜第2回目だ……今日は太公望が回答者だ。
- 師兄、こんなところに呼び出していきなりなんだ……
っというか何をしているんだ?
いや、質問者と司会を頼まれてな……太公望、前回の一問一答をみてきてくれ。
……はぁ。
太公望、よく戻ったな。おかえり。
- ただいま、半分くらいだが見てきた。
……なんとなく理解した。で……師兄が司会なのか?
- ああ、ここに【かんぺ】という書物がある、
困ったときにはこれをみればいいと聞いた
…………(誰だこのあきらかに司会者に向いていない男を司会者にしたのは)
どうした?
いや、誰が師兄を司会にしたのかが気になっただけだ。
……姫発だが、何かあったか?
いや……(あの馬鹿)
……?
いや、その手にある【かんぺ】だったか、なぜそんなにも分厚いのかと思ってな。
- これはだな、うまく話ができるかどうかと不安になっていた私に、楊栴と天化が
【太公望師叔が答える100通りの答えを予測し、それに対する私の返答を
100通りほど】記載してくれてなそのためにこんなに厚くなってしまったのだ。
そ、そうか(紙の無駄だな……高価な物をもったいない)
二人とも次の日にはふらふらとしながら仕事に行ったのだ……(ほろり)
あー、あの日か二人してふらふらの青い顔をしていた日か。
- だが、あの二人はふらふらしていても仕事に行く辺り、
えらいとさえ思ってしまう。
- そうだな……
(前夜にそんなことがあったのか、だからあの日はたいして使えなかったのか)
どうかしたのか?
- いや。なんでもない、時間を取らせて悪かったな師兄。
始めてもらっていいか?
師兄が出す質問に俺が答えていく……という進行なのだろう。
ああ、その通りだ。
では、始めてくれ。
では、まず第一問。太公望はいつも何時から何時まで寝ていますか?
なんだ、その質問は。
- 太公望の体を心配している、崑崙山Yさんや太公望の肌年齢を心配している
西岐在住のHさんから来ている。
あいつらか、そんな質問に答える義理はない、次の質問を頼む。
いや、答えてもらわねばならない。それに質問の選択権は回答者にはない。
なんだと、そんなふざけた企画など俺は了承した覚えはないぞ。
前回は、質問されたらきちんと答えていた、太公望質問の選り好みは良くない。
……くっ、それに答えれば一問目は通過ということか?
- いや、これはさっき部屋に入る前に姫発と楊栴に聞いてほしいといわれたんだが、
なにか問題でもあっただろうか。
……悪いがちゃんとした質問をしてもらってもいいか。
承知した。では、第一問………太公望と楊栴の身長はどちらが高いのか?

…………
ふむ、私から見たら二人の身長はそんなに変わらないように見えるのだが。
…………
太公望?
このふざけた質問を作った人間を今すぐに俺の前に連れてこい。
それは、無理だ。
なに?
先ほども言ったがこの企画は、質問の選り好みはできない。
俺の方が高い……あまり変わらんがな。
かろうじてか?
…………(この質問は一体誰が考えたんだ、出てこい企画者)
- すまない、では次だが……
戦闘中に気になる女子に庇われました、その時あなたが彼女にかける言葉は?

- これもどうせ答えなければならないのだろう。
……「危ないだろ」と怒るだろうな。
…………
……なんだ、言いたいことがあるなら言えばいいだろう。
普通だな。
普通のなにが悪い。
誰も悪いとは言っていない。
…………っ(やりにくい)
- ただ……私の勝手な印象だが、
太公望だったらこう守ってもらうことが当然という感じになるのかと。
玉鼎、そのかんぺとやらを置け! うっとうしい!
…………!?
- ……設問には【気になる女子】ということだろう?
別に駒や俺を守る位置にいる人間ではないならば、さすがの俺も怒るだろう。
そんなことで身を危険にさらされても困るかなら。
…………
なんだ?
いや。
…………(やりにくい)
- 太公望も大事な人の話になると、外見と相違ない感じになるんだなと
思っただけだ。そうだ、天化や姫発のような感じになると。
…………っ!?
そんなに照れることはない、自然なことだ。
誰が照れていると?
太公望だが。
…………
…………
- …………(ここで俺が食いつけば水掛け論に発展しかねん)
次だ、次の質問はまだか!
ははっ。
笑うな!
- これ以上、怒られても困るからな、次の質問に移ろう。
次は、先ほどの質問よりもまともな質問だ。
一体、どんな質問なんだ?
太公望の大事なものはなんだ?
大事なものだと?
お前にとって、慈しみ愛すべき存在は一体なんだ?

大事なもの……。
- ……物でも人でもなんでもかまわない。
心の支えとしているものはなんだ?
心の支えか……これか。
……これは?
俺の大事な金を収納してくれる、貯金ウリ坊だ。
ちょ、貯金ウリ坊?
- ああ、毎日こいつらが俺の大事な金を収納してくれている。
だから、常に感謝の気持ちを込めて、
毎夜、小金の数を確認した後、きれいに磨いている。
…………
右から、ウリ坊壱号、ウリ坊弐号、ウリ坊参号、ウリ子、ウリ美だ。
……どう見分けるのだ?
- ウリ坊壱号、ウリ坊弐号、ウリ坊参号は、後ろに数が記載されている。
ウリ子は頭に桃色の花がついているだろう、ウリ美は頭に白い花がついている。
な、なるほど。
- そうだ、俺はこいつらがすごくかわいいと思っている。
そう、お前が楊栴をかわいがるのと同じようにだ。
…………わ、私にとっての楊栴と同じ。
し、師兄!?
ウリ坊壱号、ウリ坊弐号、ウリ坊参号、ウリ子、ウリ美!!!!!!
- ……!? す、すまない太公望。
動揺してしまって、【不運】を発動してしまった。
くっ……ウリ坊。
…………
- 玉鼎! 急ぎ落ちてる小金を1つたりとも見落とさずに拾え!
さらに、ウリ坊たちを弁償しろ!
ああ、わかったがそれでいいのか?
とにかく! 俺の小金を回収することが先決だ!
…………
ふー、取り乱してすまなかったな、続けてくれ!
ああ。では太公望、お前は嘘をついたことがあるか?
…………!?
どうした。
いきなりなんだ?
最後の質問だ……。
…………そうか。

で、どうなんだ?
- 嘘か、ついたことくらいはある。
それこそ、軍師として兵の士気をあげるための嘘。
敵を欺くための嘘。
- 姫発に仕事をさせるための嘘。
崑崙にいた時には、申公豹に居場所がばれないようにするための
嘘の情報を流したりしたこともあったな。
…………
…………
…………
- 言い訳では好きではないが、
基本的に必要に駆られてつくものが多いな、何も好き好んでついたりはしない
そうか。ちなみに他にも嘘をついたことがあるのか?
- 何を期待しているかは知らんが……そうだな。
元始天孫さまに使いを頼まれて釣りで好きなものを買ってもいいと言われたが、
そのまま自分の金庫に入れたとか……いや、これは嘘ではないか。
- それは、微笑ましいな赤精子も昔似たようなことをしていたな。
「お菓子よりも研究費にまわすんだ〜★」と言っていたな。
あのパンダと俺を一緒にするな。
ははっ、さてと次の――。
俺は、司会なぞやらんぞ。
…………
そんな目をしても無駄だ、俺の意志は固い。
仕方がない、質問者は蘇妲己、回答者は黄天化だ。
師兄!? 今サラッと違和感のある名前が聞こえたのだが。
- 太公望、何を言っている。
お前が断ったんだ、そのため第2候補の名前を告げただけだ。
そ、そうか……(すまない天化)